流れ作業的な治療に疑問を感じた十数年前

「理想の歯科とは、高い技術に裏づけされた手作りのよさが息づく治療を、愛情込めて行うこと」
名古屋市で医院を開業して40数年。長年の治療経験から、QOL(Quality Of Life)の理想をより追求するようになった。
現在の患者数も相当数に上りますが、数十年前には1日に300名。分院もあり、経営は安定していましたが、次第に流れ作業的な診療に疑問を抱くようにな り、「最良の治療のはずが、その後、義歯が壊れたり、不具合が生じることがある。診療方針に欠けているものがあるのではないかと、危機感を感じました。」

骨格や生活習慣から治療をとらえる考え方に衝撃を受けた

そんなとき、日本歯科大学の丸茂義二先生が提唱する骨格や筋肉・生活習慣から治療をとらえる考えに出会い、「アゴは全身の骨格につながっている」とういう視点が、それまでは抜けていたことに気づかされ、すぐに丸茂先生の下で、体全体のバランスを整える重要性や 気功など、東洋医学も取り入れた理論と技術を学び始め、同時に、本院のみで患者さん一人一人と深く接するスタイルに転換しました。
現在、当院では、あごの開き具合や立位で片足がどれぐらい上がるかなど、噛み合わせと全身のバランスを何度も調べ、診療台での水平位では、重力がかかる立 位での状態がわからない為、治療をするたびに患者さんに、立っていただきチェックをしています。杖なしで歩けなかったお年寄りが、入れ歯の噛み合わせをしたことで、シャンと立って歩けるようになったこともありました。長年の悩みから解放された患者さんの喜ぶ姿を見るのは、たまらなくうれしく思います。
どれだけ疲れていても、全てが報われる瞬間なんです。

つねに勉強!つねにチャレンジ!

新しい治療法の研修・実践と、50歳を過ぎてからの旺盛なチャレンジ精神に、感嘆される方も多いのですが、私はスタッフにも「つねに勉強・つねにチャレンジ」と言っています。目先ではなく、何が将来の診療に必要かをトータルに考えることが大切。新しいことを取り込む柔軟さと攻めの姿勢を持ち続けるパワーが、仕事の張り合いにつながると信じております。

●1971年 愛知学院大学 歯学部卒
●’72年「中原歯科医院」開院
●’74~’79 愛知県歯科医師会役員を務める
●’98~2002年 名古屋市東区歯科医師会 会長 ※現在も役員
●愛知学院大学 大学院にて「口唇口蓋裂の治療」を就学
丸茂義二先生(日本歯科大学)に「顎と全身の関係」について師事を受け、
現在も毎月上京し研究を続ける。
噛み合わせに関する講演依頼も多数。
●2018年 博士号取得
●愛知学院大学 歯学部 口腔外科 講師
趣味:スキー(全日本スキー連名指導員資格有)、ゴルフ

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